株式投資

[3468] スターアジア不動産投資法人 で「負」の「のれん代」が話題に。 そもそも「のれん代」ってなに?

3月の株価暴落から、

  • 日本株はすべて、SBIネオモバイル証券を使って端株をちまちま購入
  • J-REIT/インフラファンドは、元々1単位なので、SBI証券で購入

という形に投資方法を見直しました。

いまのところ両者とも、マイナスの銘柄を抱えつつも、資産総額としてはプラスを保っています。

ただ、プロフィールに趣味:個別株のコレクションと書いているとおり、結構な銘柄数になっています。

 

J-REIT/インフラファンドも、高額なモノは買えていないのですが同様です。

Kaz
Kaz
でも、まだ買います!

 

そんななか、まだ保有していない銘柄でウォッチ中だった、 [3468] スターアジア不動産投資法人 の決算発表がちょうど昨日ありました。

同法人は、少し前に、さくら総合リート投資法人を吸収合併したのですが、そのことに関係して、今回の決算短信のなかに、「負ののれん発生益」というあまり耳にしない表記がありました。

Yahoo!ファイナンスの掲示板でも結構話題になっていたので、本日はこの件について書きたいと思います。

こんな方に読んでいただきたい

  • 「のれん代」ってなに??
  • 簿記の勉強中で、そういえば「のれん」ってなんか見たことある!
  • 「のれん代」はなんか聞いたことあるけど、「負ののれん」って、どういうこと?

 

そもそも「のれん代」とは

ちょうどいま手元にあるTACの簿記の書籍から、のれん代に関する設問をご紹介したいと思います。

※以下TAC書籍より引用

問題:A社はB社を吸収合併し、B社の株主に対して新株(資本金とする額は70,000円)を交付した。

・合併直前のB社の資産・負債の公正な価値(時価)は諸資産200,000円諸負債150,000円である。

A社株式の時価は70,000円でB社の取得にともなう対価はA社株式の時価を用いるものとする。

 

簿記の練習問題なので、金額自体は桁を割愛していますが、この答え(仕分け)はどうなるかと言うと、

(諸資産)200,000  (諸負債)150,000

(のれん) 20,000  (資本金) 70,000

となります。

これを見ると、「のれん」の意味合いがなんとなく分かります。

 

  1. B社は、資産と負債の差額50,000円の価値しかない企業
  2. その企業に対して、時価70,000円の株式を対価として支払った
  3. その差額:20,000円が「のれん」となっている

 

なので、のれん代とは、

  • B社のまだ表面化していない将来的な収益力
  • 持ち合わせているブランド力

といった無形のモノ=無形資産への対価 ということになるわけです。

実際の例を挙げると

最近のケースですと、

  • 武田薬品工業によるアイルランドの製薬大手シャイア-の買収  約6兆2000億円
  • 米バイオ医薬品の アッヴィによるアイルランドのアラガン買収  約3兆2700億円

など、どちらも医薬系ですが、その最たるところと言えそうです。

実際当時は両社とも、買収額が高すぎるということで、買収先の株価は上がる一方、買収する側の株価は劇落ちするという憂き目に合っいました。

 

評価通りの結果に至らないと減損処理が

この、のれん代。

見込んだ通りの潜在的・将来的な価値やブランド力が、活きれば良いのですが、場合によっては、その通りにならないケースもあります。

これも最近の事例を挙げるとすると、

アルトリア(MO)による、電子たばこメーカー「ジュール・ラブズ」への出資でしょう。

減損処理ってなに?

この「のれん」について、国際的な会計の決まりごと(国際会計基準(IFRS))では、「減価償却」のように毎期一定額を償却(費用として処理し減らしていく)ということは行わず、一度計上された「のれん」の価値は減少せずに残り続けます。

ただし、毎年「減損テスト」を行って、のれんの価値を評価するような手続きをしなければなりません。

その結果、のれんの価値が著しく低下した時には、減損処理を行うことになります。

減損処理:資産価値が低下した資産の帳簿価額を切り下げる会計処理

具体的には「特別損失」として処理する形になります。

 

上記アルトリアは、2018年に急成長中だったジュールの発行済株式の35%を128億ドル(約1兆4,250億円)で取得したのですが、わずか1年足らずで、45億ドル(約5,000億円)とマイナス35%の減損損失を計上したのでした。

じゃあ、負の「のれん代」ってなに?

今までお話してきたのは、言ってみれば「正」の「のれん代」です。

なので、「負」ということは、

B社の保有する資産よりも、安価にA社が買収をすることができた

ということです。

スターアジア不動産投資法人の例で言うと

単純に言えば、さくら総合リート投資法人を安く買収できた ということになります。

その金額、約89億円。

なお、決算短信には、

本合併に伴い、前記「負ののれん」欄に記載の負ののれん発生益が計上されることが見込
まれますが、一時差異等調整積立金を積み立てることにより、導管性要件を満たした上で全額を内部留保することを予定しています。

内部留保については、2021年7月期以降の運用において、主に一時的な収入の減少や、費用発生時において、分配金への負の影響を緩和するほか、税会不一致が生じた際の法人税等の税金費用の発生を回避するために活用する方針です。

なお、2021年7月期において、178百万円の内部留保を取り崩す予定です。

と、「分配金への負の影響の緩和」という記載もありましたので、コロナ禍においての分配金の減額も無いだろうと推察されます。

早速PTSで値が上がり、今日も引け値は42,600円と、+500円でした。

皆が想像したほど値も上がらず、利回りも7.31%あるので、今日は指値に刺さらなかったのですが、近々にコレクションに追加したいと考えています。

 

以上、本日はスターアジア不動産投資法人に絡めて、「のれん代」のお話でした。