株式等投資

AMDがザイリンクスを株式交換で買収。株式交換ってなに?金銭は貰えないの?といった疑問のまとめ

AMD WEBサイト

先日インテルの記事のなかでも少し触れましたが、同社の競合の[AMD] アドバンスト・マイクロ・デバイセズが、3兆6000億円でザイリンクスを買収するとの報道がありました。

インテルが時間外で急落。株主として同社事業を考察してみた。昨日引け後に決算発表した[INTC] インテルの株価が急落中です。 時間外で一時2桁安。 原因はデータセンター向け売上高が、...

 

規制当局の承認取得を進め、2021年末までの統合をめざす。

なので、いわゆる独禁法に抵触しないか等の審査を経てからになるようですが、株式交換で買収するため、キャッシュアウトは無いかたちになりそうです。

というわけで本日は、最近よく耳にする買収とその手法について、取り上げてみたいと思います。

まずはAMDの狙いを簡単に

AMDは1969年に発足した、パソコンやサーバー向け(データセンター向け)のCPUと、GPUを手掛けている企業です。

前者はインテル、後者はエヌビディアが競合になります。

ザイリンクスは、「FPGA」(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)と呼ばれる、プログラマブル・デバイス(プログラミングが可能な集積回路)の設計・開発を行っている企業です。

 

プログラミングが可能な集積回路って??

一般的なデバイスは、設計時に仕様や機能を定めて、製造時に全ての回路が固定されるために、後から変更する事は出来ません。

この点について、ユーザが手許で必要な回路の構成情報をデバイスに設定でき、かつ何度でも再設定することで再利用や修正が可能なモノをプログラマブル・デバイスと呼びます。

 

設計・検証コストが抑えられ、汎用性も高く、またこのFPGAは、データセンターでCPUの代わりに使う動きが出てきたため、インテルも2015年に、アルテラという同じくFPGAを手がける会社を買収したような経緯もあります。

アステラは業界2位でしたが、AMDは今回、業界1位のザイリンクスを手に入れようとしているわけです。

 

株式交換とは

今回、以下のような条件が提示されています。

ザイリンクス株1株に対してAMD株1.7234株を割り当てる

 

要はいままで、ザイリンクスの株主だった人には、AMDの株式が上記比率で与えられ(交換され)、皆ザイリンクスではなく、AMDの株主になるわけです。

AMDはザイリンクスの株主に現金を渡して、株を買い取るわけではないので、懐からお金は出ていかない(キャッシュアウトがない)ということになります。

 

「簡易株式交換」というのもあります

こちらは日本株ですが、

株式会社トクヤマによる株式会社エイアンドティーの完全子会社化に関する 株式交換契約締結(簡易株式交換)のお知らせ

というリリースが本日夕方にありました。

[6722] エイアンドティーは東証JQSに上場する企業ですが、東証1部[4043] トクヤマの連結子会社で、40.20%の株式をトクヤマが保有しています。

 

株式交換を行う際、親会社となる会社が支払う対価(=交付する株式総額)が、その親会社の純資産額の5分の1以下である場合、「簡易株式交換」という方式で行えます。

手続きとして、株主総会決議を省略できる というメリットがあります。

ざくっとした感じでまとめると、

株式を交付するんだけど、会社の資産の1/5より少ない=大した額じゃないから簡易に行える

というわけです。

 

ちなみに「略式株式交換」というのもあります

これは親会社が、子会社の株式の90%以上(正確には90%以上の議決権)を保有している状態で行われる株式交換のことを言います。

こちらも「略式」の理由をざくっとまとめると

90%以上議決権を保有しているため、改めて株主総会決議の手続きを経る意味がない

という感じです。

 

上記トクヤマの場合は40.20%なので、略式ではなく、簡易に当たるというわけです。

 

子会社化では金銭を交付する場合が多いです

ここまでは、今回のAMD-ザイリンクスに絡めて、株式交換の話をしてきましたが、他の事例などでは、金銭を交付する場合も多いです。

 

直近では、NTTによるNTTドコモの完全子会社化がまさにそのケースです。

NTTはドコモの株式の66.21%を所有しており、一般株主が持つ3割強の普通株式TOB(株式公開買い付け)で取得する。買い付け総額は4.3兆円。

この場合は、4.3兆円というお金が、NTTから一般株主の手元にわたる形になります。

 

キャッシュアウトになるこの現金を、NTTは手当する必要があります。

そのため、

  • 三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガが約3兆4000億円を融資
  • 残りを日本政策投資銀行、農林中央金庫、三井住友信託銀行が担う

という形で銀行からの融資によって賄った次第です。

 

最後に、子会社と完全子会社の話を

世の中には子会社は数多の数あり、上場会社の中にも、親子上場と言われるような、親会社・子会社ともに上場しているケースも結構あります。

ただこれが「完全子会社」となると話が違ってきます。

「完全子会社化する」ということは、親会社が子会社の全ての株式を保有することになるため、子会社の株式は自由に売買することができなくなります。結果、独自で上場することはできなくなるような次第です。

ザイリンクスやNTTドコモの場合も、「全株式を取得」=完全子会社化になりますので、期日を以って、上場廃止となるようなわけです。

以上、本日は最近また良く耳にするようになった子会社化のお話を取り上げてみました。

 

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