書籍紹介

「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」 を読んで、基本は日本もアメリカも変わらないんだなぁと感じる 

朝日新聞出版「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」を読み終えました。

帯に書かれた煽り文句は

ニューヨーク・タイムズ、、WSJ、ワシントンポストで話題の「ミレニアル世代の億万長者」が実証した、2.25ドルを5年で125万ドルに増やした具体的手段!

です。

著者の経歴は?

著者は、1984年生まれなので今年で36歳になる、グラント・サバティエ氏です。

2010年に失業中の著者の口座残高はわずか2.26ドルでした。

が、それからたった5年後に純資産125万ドルを達成。

30歳で経済的自立に到達した著者は、CNBCで「ザ・ミレニアム・ミリオネア」と呼ばれ取り上げられるまでに至ったそうです。

この書籍では、著者がどうやってそんな短期間で資産を築いたかを、

  • なぜFIREを実現すべきか?
  • そのために押さえるべきポイントなんなのか?

といった視点で、具体的な数字を挙げながら解説されています。

何よりも大切なこと

著者が強調する何よりも大切な教訓が冒頭に紹介されています。

あなたのお金を稼ぐ能力は無限だが、あなたの時間は有限だと言うことだ。

そのために、なるべく早く経済的自立を実現し、一度きりの時間をやりたいことだけをして毎日を過ごせるようにしよう というのが著者のコンセプトです。

 

もし90歳の金持ちのお年寄りから1億ドル渡すから自分と入れ替わって欲しいと言われたら、その申し出を受け入れるだろうか? もちろん、受け入れないだろう。

若くして命を落とす人も確かにいますが、元気な身体、残された時間があることが大切である。

親世代のように、60歳で定年して それから自分のために時間を使うような生き方

「一度きりの人生において、コレってどうなんだろう?」

という疑問を多くの若者が抱き始めたところから、このFIREムーブメントは広がっていったのでしょう。

「貧乏父さん役」も登場します

両親の古くからの友人のトラヴィスが、いわゆる貧乏父さん役として登場します。

  • 年収は約6万ドル
  • 過去3年間で新しい家を購入(約50万ドル)、キッチンを改装し、増築もしている(約15万ドル)
  • 新車も2台購入
  • 年収のうち5% を若い時から約20年間貯蓄に回している

ほんとんどのアメリカ人は、彼と同じようにリタイアに備えてはいるが、これでは一生リタリアできないだろうと著者は辛辣に述べています。

これまで語られてきた定説どおりに生きていけば、アーリーリタイアはおろか、60代70代まで働くという生活が待っているだろうというわけです。

リタイア=二度と働かないというわけではない

経済的自由といっても、人それぞれその考えによって変わってきます。

「二度と働かない、好きな仕事をだけをやっていく」

また、

「年間いくらあれば僕は私はリタイアできる」

という数字も違うでしょう。

それゆえ、著者はまず

  1. ステップ1「自分の目標とする数字を把握せよ」
  2. ステップ2「いまて持っている金額を計算せよ」

と謳っています。

これがわかってはじめて、

  • 何年(あるいは何歳)でリタイアするには、残りいくら必要
  • 年にいくら貯めていく必要があるか、きちっと目標となる数字が明らかになる

というわけです。

経済的自立・早期リタイアへのアプローチは

目標が決まれば、あとは具体的にアプローチしていくだけですが、

結論から言えば、それは、

収入を増やし、支出を減らし、なるべく多くのお金を投資に回して増やす。

結局これだけです。

 

収入部分では、

  • 本業で収入をアップさせる処世術
  • 副業の話

支出部分では、

  • この買い物はどれほど私を幸せにしてくれるのか?
  • これを買えるようになるには、いくら稼がなければならないのか?
  • これを買えるようになるために、人生の何時間を差し出しているのか?
  • 便利さと引き換えに、いくらお金を払っているのか?
  • そのお金は将来、どれくらいの価値になるのか?

といったことを考えるようにと、その判断のポイントを挙げています。

 

そして、

若ければ若いほど、リタイヤまでに貯蓄しておく必要のある金額は少なくなる。投資資金が複利で増える期間が長くなるからだ。より早い時期からより多くのお金を投資するほど、あなたの資金はより早く増えていく。

と述べ、書籍後半でより具体的にインデックスファンドへの投資を推奨しています。

参考にしづらい点=日本と米国の違い

節税に関する米国のルールに密接する話や、ドルベースの具体的な数字、あるいは自身の昇給について上司と折衝する件など、なかなか参考にしづらい点もあります。

また、よく日本で話題に挙がる、不動産の購入or賃貸問題も、日本では、不動産を購入すると、多くの場合それは「負債」となり、「お金を生まないモノ」として括られます。リセールバリューの高い物件にあたることは僅少だからです。

一方、米国では「不動産の価値は上がっていく」という状況が、基本にあります。よってそれを資産として捉えた上での投資の話も書かれています。

実際、アメリカにおいては大半の都市で、賃貸と持ち家の損益分岐点は2.1年なんだそうです。

ですので、①利息を超える家賃収入を得る、②不動産を転売する といった話が、真っ当な手法として紹介されています。

日本では、ぼったくり不動産業者が口にしそうなセリフですが、アメリカの住宅環境と日本との差異を大きく感じました。

FIRE本の基本は共通

先日、同じく30歳の若さでFIREされた、三菱サラリーマンさんの著書も拝読しましたが、基本は同じですね。

  1. 収入を増やす:なるべく高収入の職へ、自己投資、副業)
  2. 支出を減らす:節税・節約(支出の最適化)
  3. その差額を適切な投資に可能な限り多く回す

 

昔のように年齢を重ねても収入は増えず、社会保険料や消費税も上がり、モノの価格もひっそりとアップされていく、いまの日本ですが、残された時間の多い、若い方々には、

  1. 転職するなんてごくごく当たり前
  2. 副業も国の主導で推奨
  3. 投資環境もネット・海外投資とも充実

という時代を利用して、大きく飛躍できるチャンスは、私の若い頃よりもはるかにたくさん転がっているようにも感じます。

早期リタイア=「是」とは言いませんが、20代、30代と、ずっと息ぐるしくサラリーマンを続けてきた自分にとっては、ちょっと羨ましくも感じています。